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筑波大学人間系 佐々木銀河 研究室

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【2026年3月31日まで:地域トライアル実施中】チャットボット「ダボット:ダックスさんの相談室」

「ダボット:ダックスさんの相談室」(以下、ダボット)は、日常生活で抱える、様々な困りごとやお悩みを解決するためのアイディアや便利なツールをLINE®︎で自動提案するチャットボット(自動応答システム)です。

現在、JST RISTEXの助成(JPMJRS22I6:研究代表者 筑波大学人間系准教授 佐々木銀河)を受け、研究活動の一環として、下記の重点地域に事業所等を置く機関・団体における「研究トライアル(無償)」を期間限定(2026年3月31日まで)実施しています。
このトライアルを通じて、「ダボット」の改善や展開を加速させていきたいと考えております。

該当する地域の機関・団体の方に、ご関心を寄せていただき、この機会にぜひお申し込みいただければ幸いです。

重点地域(2025年8月7日現在)

北海道、秋田県、茨城県、長野県、京都府、岡山県

※発達障害に関する地域のネットワーク機関(発達障害者支援センター等)の協力を得られる地域を重点地域とさせていただいております。この地域に事業所を置かれる機関・団体については、今回の無償トライアルの対象となります。

※個人でのトライアルは申し訳ございませんが、現在、対応しておりません。今後、個人で「ダボット」をご利用いただけるよう、枠組みを検討しているところとなります。

ダボットの概要

ダボットは、LINEの友だち追加を利用して、二次元コードを読み込むだけで利用を開始できます。

ダボットで紹介する情報は全国3,000名以上から得られた調査結果(発達障害当事者を含む)をもとに作成しており、専門家が監修しています。

メニュー選択や文字入力により、困っていることや気になっていることがはっきりしていなくても、学生生活に役立つアイディアやツール700件以上から、自動でご提案いたします。

「障害」などの用語を極力用いず、発達障害の診断のない方や言葉に抵抗のある方、障害のない方まで、幅広くご利用いただけます。

チャットボット(自動応答システム)となりますので、365日24時間、ロボットが対応していますから、他人のことを気にせずに、安心して話しかけることができます

自分の困りごとの内容がわからない方においても、アンケートに答えるだけで「対人関係」や「注意・集中」など自身がどこに困っているかをチェックして、自己分析に利用できます

ダボットは、あえて生成AIによる自動応答を用いず、専門家が監修した内容を掲載することで、情報の正確性や信頼性に留意しながら、安心して利用いただけるように作っています。

現在、「高校生用」、「学生用(大学生や専門学校生など)」、「就業用(働いている方や就労支援を受けている方など)」の3バージョンを用意しております。

ダボットの概要については下記の【学生用】紹介動画(1分15秒)よりご確認ください。
https://youtu.be/g_NDN6rFPrQ

ダボットに関する学術的検証・研究活動

ダボットは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)の「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(シナリオ創出フェーズ)」(2020年10月〜2022年9月)の助成を受けて開発されました。

シナリオ創出フェーズ 研究開発実施終了報告書(PDF)

また、2022年10月から2026年3月まで、「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(ソリューション創出フェーズ)」の助成を受け、全国の多くの地域にダボットを届けるための研究開発・社会実装活動を進めています。

発達障害の診断のあるなしにかかわらず、ダボットは人の困難感を軽減するか?

ダボットの最初の学術的検証として、2022年に217名の大学生を対象としたダボットの実証試験を実施しました。

参加した大学生を「発達障害の診断がなく、発達障害スクリーニング尺度の基準値を超えない学生(定型発達群)」、「発達障害の診断がないが、発達障害スクリーニング尺度の基準値を超える学生(発達障害傾向群)」、「発達障害の診断のある学生(発達障害診断群)」の 3 群に分けて、無作為化比較試験(RCT)を行いました。

その結果、3 群すべてにおいて、ダボットを利用しない学生よりも、ダボットを1週間利用した学生の方が、学生生活上の全般的な困難感が有意に減少しました。

また、参加した学生それぞれの生活上の困りごとについて、ダボット利用後に「困難感」や「不安感」ならびに全般的な「抑うつ・不安」の程度が有意に軽減し、「困りごとが改善する期待感」が有意に向上しました。

2024年度には「高校生」、「専門学校生」、「就業者」を対象とした実証試験を実施しております。実証試験を踏まえて、ダボットは「高校生用」、「学生用(大学生や専門学校生など)」、「就業用(働いている方や就労支援を受けている方など)」の3バージョンを開発しています。

2025年度からは、全国の多くの地域にダボットを展開しながら、ダボットの内容改善サイクルも加速させていきます。

まだ学術的検証は開始したばかりですが、ダボットは青年期・成人期の人において、障害の有無に関わらず、多様な種類の困りごとの軽減に寄与する解決策の1つとして利用できるツールとして期待されています

ダボットを利用した方の声

2021年には、発達障害および定型発達の大学生や就業者を対象にしたトライアルを実施しており、トライアル参加者のうち75名を対象にダボットに関するヒアリング調査を実施しました。

その結果、「ダボットを利用してみてよかった点」について、下記の8点が挙げられています

 1(24時間365日対応) 24時間365日、自分が知りたい時に知りたい情報をダボットで聞けること
 2(掲載情報の信頼性) ネットでは間違っていることも多いが、大学の研究者が監修することで正しい知識を参考にできること
 3(受動的な応答) 他のアプリケーションと異なり、アプリ側から通知を積極的に行わないため、焦りや煩わしさを感じなかったこと
 4(メニュー選択の利便性) メニューなどで具体的な選択肢を出すことによって、何もないところから考えるよりも対応しやすかったこと
 5(キャラクターの安心感) ダボット内のキャラクターに話しかけられることでWEB検索よりも安心感があったこと
 6(表出のしやすさ) チャットボット相手だと対人ではないので気軽に質問できるし、悩みや気持ちをそのままぶつけられること
 7(発達障害を考慮した内容) メールや電話対応のコツというコンテンツが、発達障害のある人にとって有益であったこと
 8(UIの使いやすさ) LINE公式アカウントとして提供していることで、普段使っているツールで気軽に利用できること

このように、日常生活の困りごとについて、いつでも、気軽に、聞けることが評価されています。

現在も、ダボットに関する学術的検証・研究活動を継続的に実施しております。

研究トライアルでご協力いただくこと

1)ダボットを試しに機関・団体の職員や利用者の方などで使っていただく

  • 「高校生用」、「学生用(大学生や専門学校生など)」、「就業用(働いている方や就労支援を受けている方など)」の3バージョンから1つ、ご希望のバージョンを提供します。
    • あるいは試験運用中ですが、3つのバージョンを利用する人が任意で切り替えられる「切り替え可能バージョン」もご用意できます。
  •  専用の二次元コード(QRコード)等を記載したチラシの電子データをご用意します。

2)zoomヒアリング調査にご協力いただき、使った感想などを教えていただく

  • 利用開始から、約1ヶ月後を目安にご連絡いたします。時間は60分程度の予定です。
  • 機関・団体の職員の方を主なヒアリング対象としています。
  • ヒアリングを通して、ダボットの改善や導入を進めていくために、必要なことを明らかにしたいと思います。

想定される機関・団体の例

以下はトライアルの対象として想定される機関・団体の例です。あくまで例となりますので、下記以外の機関・団体についても重点地域に事業所を置く機関・団体であれば対象となります。また、法人格の有無は問いません。

教育機関

高校、専門学校、短期大学、高等専門学校、大学、特別支援学校、職業能力開発校など

福祉機関

発達障害者支援センター、就労移行支援・継続支援事業所、障害者就業・生活支援センター、相談支援事業所、地域障害者職業センター、 地域若者サポートステーション、自治体障害福祉課、障害者支援施設、グループホーム、精神保健福祉センター、ひきこもり地域支援センターなど

労働関係機関

雇用主となる企業・団体、公共職業安定所、民間の就労支援事業者、職業能力開発促進センターなど

医療機関

精神科・心療内科、デイケアなど

民間団体

家族会・当事者会など

ダボットの研究トライアルの申込方法

機関・団体のご担当者さまより、下記のフォームへお申し込みください。

追ってメールを差し上げます。

https://forms.office.com/r/Dmbj5MscKP

ダボットに関する問い合わせ先

〒305-8572

茨城県つくば市天王台1−1ー1 筑波大学人間系学系A棟A101

ダボットプロジェクト 宛

E-mail:dabot#@#un.tsukuba.ac.jp

※「#@#」を「@」に置き換えてください