SuccessAbility Lab.
筑波大学人間系 佐々木銀河 研究室

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プロジェクト Project

このページでは研究室が関与している進行中の研究プロジェクトについて紹介しています。
終了したプロジェクトや研究成果展開活動は「研究成果」ページをご覧ください

困りごとに応じた対処法を自動提案するチャットbotの開発・効果検証

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概要

発達障害のある方では、学習や就労へのアクセスにおいて不利な立場におかれていることがあります。特に、医学的診断の有無によって、入手できる情報に違いがある場合も少なくありません。また、コミュニケーション上の困難さや自身の特性理解の苦手さなどから、他者への相談に至らない場合に孤立してしまうこともあります。
そこで本プロジェクトでは、利用者が日々の困りごとを投稿すると、それに対応した対処法を自動提案するチャットbot(人工知能による自動応答システム)を開発し、障害の有無にかかわらず、ユーザーが自助スキルやスキルアップの方略を身につけるとともに、必要に応じて、福祉や医療などの支援サービスにつながることを目指しています。「チャットbot(仮称)」は、LINE®︎を用いており、ユーザーが知りたいことをメニューで選択したり、テキスト入力をすることで関連する対処法を自動的に提案します。トライアルを繰り返しながら応答の精度向上や機能拡充を図っています。
現在は、研究開発段階として、研究プロジェクトの一環でトライアルなどを進めています。

関連リソース

研究助成

【助成名称】国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)
SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(シナリオ創出フェーズ)
【研究課題名】発達障害の特性に関連する対処法を多様な脳特性に対応して自動提案する情報配信サービスの可能性検証
【研究期間】2020年度〜2022年度
【研究代表者】佐々木銀河
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自己理解サポートアプリ「マイメモ」の開発・効果検証

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概要

障害のある生徒・学生においては、障害の特性に関する自己理解が重要であると言われています。自己理解を促すには本人はもちろんのこと、客観視できる教職員や家族、友人等の第三者との情報連携が不可欠ですが、本人の同意取得や機関・部署間の情報共有に制約がある場合も少なくありません。また、不注意の特性のある方では自身の情報を整理したり、蓄積することが苦手な場合もあります。
そこで本プロジェクトでは、自己理解サポートアプリ「マイメモ」を開発し、得意・苦手等を本人中心で情報共有し、シームレスに連携するシステムづくりを目指しています。「マイメモ」は、ユーザーが大学生活を通して得られた自分の得意・苦手・苦手の対処法などの気づきをパソコンやスマホ、タブレットから記録することで、自分の長所や短所などの情報を蓄積・共有することができるWEBアプリケーションです。記録した得意・苦手は、自動的に一覧表に整理され、合理的配慮の提供時やエントリーシート作成時などに活用することができます。蓄積された得意・苦手の一覧表は、本人が許可したサポーター(教職員、家族、友人)のみに共有され、見せたい人にだけ見せることができます。また、言葉を気にする方向けに「得意」などの言葉を「まあまあできること」など自由にラベル変更が可能です。
現在は、研究開発段階として、研究プロジェクトの一環でトライアルなどを進めています。

関連リソース

研究助成

【助成名称】科学研究費補助金 基盤研究(B)
【研究課題名】ICTツールを用いた多様な発達特性を有する学生の高校・大学・就労接続支援
【研究期間】2020年度〜2023年度
【研究代表者】佐々木銀河
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研究助成

【助成名称】科学研究費補助金 挑戦的研究(萌芽)
【研究課題名】自己理解促進ツールによる発達障害学生に対するシームレスな支援に関する研究
【研究期間】2017年度〜2019年度
【研究代表者】末富真弓(研究分担者:佐々木銀河)
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行動記録アプリケーション「ぽじかる」の開発・効果検証

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概要

障害のある方をサポートする福祉・教育機関等の職員においては、日々の日誌(ケース記録)や支援計画などの記録作成業務が多くあります。障害のある方における日々の状況を適切に記録して、記録内容を支援に活かすことが期待されていますが、福祉・教育機関における記録作成業務は主観的な自由記述に依拠するところが多く、職員間での目標共有や達成度評価は難しいことがあります。記録作成業務を効率化するとともに、支援に活かせるような記録のあり方を検討する必要があります。
そこで本プロジェクトでは、パソコンやタブレット、スマートフォンで利用できる行動記録アプリケーション「ぽじかる」を開発し、障害のある方の目標行動の達成状況や有効/非有効な支援内容の分析を効率化することで、福祉・教育機関等の職員に対するサポートの充実を目指しています。「ぽじかる」では、複雑な数値入力が不要なインターフェースを用いて、○×などの数回のボタン操作で日々の目標行動の達成状況が記録できるほか、達成時/非達成時の支援状況を自動的に分類することができます。記録結果は複数の端末で情報共有できるほか、コンサルテーションにも活用することができます。
現在は、研究開発段階として、研究プロジェクトの一環でトライアルなどを進めています。

関連リソース

特許

特許第6842153号「行動支援システム、行動分析装置、および行動分析プログラム」

研究助成

【助成名称】科学研究費補助金 若手研究
【研究課題名】児童福祉施設等における行動評価支援ツールによる支援のPDCAサイクルの確立
【研究期間】2018年度〜2019年度
【研究代表者】佐々木銀河
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支援情報配信サービス「Learning Support Book(LSB)」の開発・効果検証・展開

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概要

発達障害のある学生に対する合理的配慮や支援は個別的な対応として行われることが多くありますが、より広く事前的改善措置として、不特定多数の発達障害のある方がいることを想定して、前もって環境整備をすることが重要です。また、発達障害のある方の中には、それぞれユニークな工夫や対処法を試みられていることがありますが、当事者コミュニティ以外で個々のノウハウが共有されることは少ないのが現状です。
そこで本プロジェクトでは、発達障害のある方がもつ独自の視点や経験に関する情報を収集し、大学生等の学業や生活に役立つ情報を配信する支援情報配信サービス「Learning Support Book(LSB)」を開発し、障害の有無にかかわらず、困りごとの解決やスキルアップにつなげることを目指しています。「LSB」は、授業やレポート、試験勉強等で役立つ情報を提供する電子ブックのポータルサイトとして構築されており、ハイテクな支援技術(Assistive Technology)や個々のテクニックなどを「障害」の言葉を用いずに掲載しています。
現在は、効果検証・普及展開の段階として、筑波大学ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター(DACセンター)に実装し、他の高等教育機関の教職員や学生を対象に共同利用をするとともに、LSBの効果に関する各種研究活動を進めています。

関連リソース

受賞

2020年 IAUD国際デザイン賞 コミュニケーションデザイン部門 銅賞

研究助成

【助成名称】科学研究費補助金 基盤研究(A)
【研究課題名】大学における合理的配慮と支援モデルの最適化に基づくニューロダイバーシティの実現
【研究期間】2018年度〜2020年度
【研究代表者】竹田一則(研究分担者:佐々木銀河)
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研究業績

佐々木銀河・岡崎慎治・野呂文行・竹田一則(2019)筑波大学発達障害学生支援(RADD)プロジェクトの取組―階層的支援モデルに基づく修学支援―.LD研究,28(4),419-425.

研究成果展開活動

筑波大学ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター「Learning Support Book(LSB)」

大学生向けの感覚にやさしい学習空間の構築と効果検証

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概要

大学において自閉スペクトラム症(ASD)のある学生では感覚の過敏性のある学生も少なくありません。また、オンライン授業では発達障害に限らず、視覚や聴覚に関して疲労や過敏性を感じる学生もいます。なかには、感覚の課題により、本人の知的能力に問題がなくても、学習困難になることもあります。ですが、教室などの大学の学習環境では、多数派(マジョリティ)に合わせて設計されている場合も多く、多様な感覚のある学生に対して個別にカスタマイズできるような環境設計の取り組みは行われていませんでした。
そこで本プロジェクトでは、筑波大学ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター(DACセンター)が管理する学生室を利用して、デザインを専門とする筑波大学芸術系の教員や学生との共同プロジェクトチームとして「個人の多様な感覚特性に応じてカスタマイズできる1人用学習・休憩室」を構築しました。部屋色や光、音を個人の好みに応じてカスタマイズできるほか、感覚を落ち着けるグッズを配置し、それぞれの学生の好みに応じてオリジナルな環境を作れる特徴があります。
現在は、効果検証・普及展開の段階として、筑波大学ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター(DACセンター)が「アクセシブルスタディルーム(ASルーム)」を筑波大学の障害のある学生を対象に運用しています。また、感覚特性に応じて環境をカスタマイズすることによるパフォーマンス改善に関する研究を進めています。

関連リソース

メディア取材

2021年12月31日 朝日新聞(茨城面)光や音が調節可能 筑波大が発達障害などの学生向けに部屋を設置

研究助成

【助成名称】科学研究費補助金 基盤研究(B)
【研究課題名】感覚ダイバーシティを考慮した共生デザインの推進
【研究期間】2021年度〜2023年度
【研究代表者】小山慎一(研究分担者:佐々木銀河)
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研究成果展開活動

筑波大学ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター「アクセシブルスタディルーム(ASルーム)」

大学生を対象とした「学生生活の困りごと質問紙」の開発および尺度活用

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概要

発達障害のある学生の中には、医学的診断を受けていなくても、自身の特性に由来する何らかの困難感を有している場合があります。生来的な特性と違って、困難感は学生自身の状況変化や周囲からの支援によって変容する可能性があり、発達障害に関連する困難感を適切に評価することは本人の自己理解につながることはもちろん、学生支援の有効性に関するモニタリングとしての役割が期待されます。
そこで本プロジェクトでは、発達障害に関連する困難感を広く、簡便にとらえることができる尺度として、信州大学の高橋知音先生が開発された「ASD・ADHD関連困り感質問紙」を参考に、読み書きや感覚に関する項目を追加するとともに、発達障害当事者からの意見も踏まえた「学生生活の困りごと質問紙」を開発し、各種研究における指標や学生支援への活用を目指しています。「学生生活の困りごと質問紙」は、33項目4件法により「対人関係」「注意・集中」「読み書き」「生活リズム」「感覚」の5つの下位尺度で構成されており、一定の信頼性と妥当性が検討されています。
現在は、開発された尺度を活用した各種研究を展開しています。

関連リソース

研究業績

佐々木銀河・中島範子・高橋知音・岡崎慎治・竹田一則(2019)大学生・大学院生における発達障害関連支援ニーズの傾向:学生種別・学部・学年間の差異の検討.日本LD学会第28回大会発表論文集,28,485-486.

研究業績

中野泰伺・高橋知音・岡崎慎治・中島範子・脇貴典・末吉彩香・松田奈々恵・竹田一則・佐々木銀河(2021)大学生を対象とした「困りごと質問紙」の妥当性ならびに発達障害特性・認知能力との関連の検証.障害科学研究,45,31-41.

※同論文では47項目と記載されていますが、実際には33項目となります。

研究助成

【助成名称】科学研究費補助金 基盤研究(A)
【研究課題名】大学における合理的配慮と支援モデルの最適化に基づくニューロダイバーシティの実現
【研究期間】2018年度〜2020年度
【研究代表者】竹田一則(研究分担者:佐々木銀河)
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研究助成

【助成名称】科学研究費補助金 基盤研究(A)
【研究課題名】障害のある学生の修学支援における合理的配慮のあり方に関する学際的研究
【研究期間】2014年度〜2017年度
【研究代表者】竹田一則(研究分担者:佐々木銀河)
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プロジェクトに関するお問い合わせ

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(2022年4月5日時点)