研究成果
Outreach
このページでは研究室が関与している終了したプロジェクトの研究成果について紹介しています。
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研究業績
受賞、論文、著書、会議発表等などの研究業績は筑波大学「研究者総覧(TRIOS)佐々木銀河」をご覧ください。
問題解決スキル促進システム
(Problem-Solving skills Promotion System:PSPS)
概要
児童福祉施設では、多様な児童に対応するために職員による子どもへの直接支援が行われています。しかしながら、子どもへの直接支援だけでなく、職員間のコミュニケーションや運営管理などのシステムを検討することが重要であり、その中でも支援におけるPDCAサイクルを1つの支援技術として獲得できることが求められます。PDCAサイクルを循環するために、Check(評価)に相当するケース記録を改良し、効率的に支援目標の達成状況を記録・共有できる仕組みの構築が重要であることが、児童養護施設を対象とした全国調査から示されています(佐々木ら,2016)。
そこで本研究では、応用行動分析学の一領域である組織行動マネジメント(Organizational Behavior Management:OBM)の技法および理論を援用して、PDCAサイクルの循環を促す「問題解決スキル促進システム(Problem-Solving skills Promotion System:PSPS)」を開発し、児童養護施設や児童発達支援事業所などの児童福祉施設に導入して効果検証を行いました。「問題解決スキル促進システム」は、子どもの行動に関する記録を行うことで自動的にフィードバックを行うMicrosoft Office Excel®︎を用いた「目標評価ツール(Goal Evaluation Tool:GET)」と、記録結果をもとに効率的な会議進行方針を視覚的に示す「問題解決フローチャート(Problem-Solving Chart:PSチャート)」で構成されています。「問題解決スキル」の導入により、行動記録を用いない会議よりも、職員による支援計画の提案に関する発言の割合が増加することがシングルケースデザインにより示されています(Sasaki & Noro, 2017a)。また、「問題解決スキル促進システム」に関して1回2時間の研修によって取り入れることができ、1年間にわたって行動記録が維持し、外部の専門家が不在でも職員だけで利用者の支援目標を設定・調整し、支援目標を達成できることがシングルケースデザインにより示されています(Sasaki & Noro, 2017b)。
「問題解決スキル促進システム」で使用されたツールは、下記のリンクから無料でご利用いただくことが可能です。ご利用・ご参考とされる際には、研究業績に記載される論文を引用してください。
関連リソース
ツールへのリンク(無料)
●目標評価ツール(Goal Evaluation Tool:GET)
著作権は佐々木銀河に帰属します。目標行動を設定して、1シート1ヶ月単位で○×による記録を行うことで、週当たりの達成状況が自動的にグラフ化されるとともに、達成時(○)の状況と非達成時(×)の状況を自動的に色分けして示します。
●問題解決フローチャート(Problem-Solving Chart:PSチャート)
著作権は佐々木銀河に帰属します。記録結果をもとに、目標が達成している場合と達成していない場合に応じてフローチャート形式で問題を分岐していき、どのような方針で支援計画を改善していくべきかを視覚的に示します。
研究業績
研究業績
佐々木銀河(2016)児童養護施設の入所児支援におけるPDCAサイクルの確立:組織行動マネジメントに基づく問題解決スキル促進システムの開発.平成28年度 筑波大学大学院人間総合科学研究科 博士論文.
受賞
2018年度 第30回日本特殊教育学会 研究奨励賞
受賞
2019年度 日本行動分析学会 第3回若手研究者優秀発表賞
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(2022年4月5日時点)